2014|監督:シティ・カマルディン
シラットを巡る、恋と友情
ブルネイという国をよく知らないので、もの珍しさから観たものの、面白さにビックリ! 本作のエピソードは、①三角関係(恋)②親友たちとの友情(男子を含む3人組)③父娘の絆 ④父自身のトラウマ …という感じで盛りだくさんなのだけど、それらを上手に絡めてハッピーエンドにつなげている。
はじめは、シラット(格闘技)が強くてカッコいい男の子の気をひくため、主人公の女の子も無理やり部活(クラブ?)を作って始めちゃうのだが、一生懸命取り組むうちに恋より大切なことに気づく。主人公はちょっと強引で勝気な子なんだけど、努力もするし反省もするし、悪い子じゃない。彼女の奮闘振りには、つい声をあげて応援したくなってしまう。こういうガールズムービーって本当に勇気をもらえるし、友達の大切さにも改めて気づけたりして、心が温まる。また、サイドストーリーとして父の過去のトラウマにも触れるのだけど…これもいいんだよなぁ。大人になると何でも自己完結しようとしてしまうけれど、娘の姿を見ながら娘と一緒に成長して行くようなパパの姿って、胸が熱くなってくる。それに加えて、音楽や映像がポップで瑞々しいところも、この映画の大きな特徴だ。