偶然の驚きを
誰かに見せる為ではなく、
自分たちが生きていく為に
即興劇を行う、3つのオムニバス。
私は演劇調の映画が苦手なのだけど、
この作品は登場人物が
意図的に”演じている”為、
納得せざるを得ない不思議感覚である。
面白かった。
近年の女性監督の活躍とか
”女の底力!”的傾向の映画を
男性ってどう見てるんだろ…と
思っていたが、
こう冷静な物語を描く男性が現れると
見えてる人には見えてるんだと思い、
何となくホッとする。
意地悪で罠を仕掛けそうな、
トゲ丸出しの女たちが愛おしい。
何の力もなく、何者にもなれず、
時間に殺されていくしかないような
意味のない不安…
感謝するべき環境かもしれない、
でも幸せとは言い切れない…
日本人らしい女心の表現が素晴らしい。
2021|濱口竜介 || 映画館
第71回 ベルリン国際映画祭(2021年) 審査員グランプリ(銀熊賞)