『ロスト・ドーター』映画感想 自分らしく生きた代償

人は、思い通りに生きることが
一番幸せなのだと思う。

この映画の主人公は、
いわゆる既成概念を
ぶった斬ることができた成功者。

義務感に縛られる人は多く
”思い通り”を選べる人は
少ないと思うから、
ある意味羨ましくもある。

だけど、
短期的には勝利を掴んだ彼女が
その後の人生を謳歌しているようには
思えなかった…

避暑地での休暇はひとり。

幸せそうな家族の裏側と
自身のトラウマを重ね、
過去を振り返ることに…

そこに滲む、罪悪感と後悔。

私は意地悪だし、母性がないと
自己否定しつつも、
心の安らぎはどこにもない…

家族の繋がりって奥深い。

自分を赦せなかったとしても、
娘にとっては、いつまでも
「母」なのである。


2021|マギー・ギレンホール

第78回 ヴェネツィア国際映画祭(2021年):脚本賞
第87回 NY批評家協会賞(2021年):新人監督賞

ロスト・ドーター | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト


メモ:
オリビア・コールマンの演技が素晴らしかった。
子育てと介護は似ていると言われるけれど、『ファーザー』を観た後の本作は、とても沁みる…

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