2013|監督: ウ・ムンギ
バレーボールとサッカーをひとつにしたような韓国特有の球技をめぐる青春。
まず、「チョック」って何?と思う。韓国でも多くの人が興味を持っていない球技らしく、私もこの映画で初めて知った。サッカー優待生を負かしたことが話題となって大学中の注目を集め、急遽流行り始めたことから物語が始まる。基本的にはコメディで笑い溢れる作品だが、登場人物にはそれぞれ影がある。好きな子の視界に自分が入っていなかったり、学費が払えず除籍になりそうだったりで、主人公の立ち位置もかなりグレーゾーン。筋肉はブヨブヨだしイケメンじゃないけど、妙に彼に感情移入してしまった。私の場合、人に興味を持たれないような趣味を続けているところに共感したところが大きかった。理解されず、分かち合える人がいないことを辛く思うこともある。だから、女の子にモテないことはわかっていても、チョック好きを諦めない彼を応援したくなってしまったのだった。試合に勝ったところで、彼に残るものは特に何もない。それでも今しかできないことを精一杯挑戦する姿に、なんとも言えない清々しさを感じる。
(コリアンシネマウィーク 2015)