男のエゴに引っ掻き回された
女の不幸…
お岩さんの恨みの念、
しかと堪能させていただきました...
怪物化するお岩さんの姿より
斬っても斬っても断ち切れぬ、
つまり、
終わりのないストーキング行為が
何とも言えない恐怖。
父の仇という思いもあっただろうが
それ以上に、
裏切られた悲しみが深かっただろう。
自分のエゴのために
愛した女に毒を盛る男の苦悩も、
若き天地茂に滲み出ていた。
自分の過ちを認め、許しを乞う姿…
お岩さんの願いが叶う最後は
意外にも、私的には
気持ちスッキリラストだった。
1959|中川信夫