2017|監督:マイケル・オンデル
家の中と外の温度差
3.11の震災が起こった時、私は家に帰ることができず、職場に泊まった。早く家に帰りたくて、私はテレビに釘付けになっていたが、若い子たちはこぞってゲームをやりはじめた。 え?ゲーム?今? そう、モンハン。 あれ?703さんモンハンも知らないんですか? いや、知ってはいるんだけどさ、今やるの? だってやることないし。…あの夜の会話を思い出す。
家(部屋)の外では大変な事態が起きているのに、そうかもしれないけどゲームやろうよ今、というシュール。あぁ、そうだよなぁ、トルコにもそういう人がいてもおかしくない。映画だから、じゃなくて、リアルでもその経験をしている私はすっごく面白くこの映画を観た。全員がゲームに集中するわけではなく、バラバラと人が出たり入ったりして入れ代わり、その都度人によって意見も違う。いつもの感じとは違った顔が見えたり、知らない(知りたくない)側面が見えてしまったりする。平和が一番だし、震災も起こらない方がいいけれど、何かが起こった時こそ、人の素顔が見えたりするものなのかも。そして、案外それも怖い。
〈第30回東京国際映画祭 アジアの未来 上映作品〉