『台北ストーリー』映画感想 過去への固執と未来の狭間で

昔を忘れられない。でも今は進めない。なのに…チャンスは待ってる。グレーがかった心境は、現代でもリアルに感じられた。運気の低迷、曇り時々雷。思うようにものごとが進まず、にっちもさっちも行かない時の、ただうずくまることしかできないあの感覚は自分ごとに重なって、胸にズシリと響く。痛みと哀しみ、社会変化への個人差…状況や展開のわかりみが沼のように深い。ハデバデしく光るネオンがニクい。忘れがたい映像だった。

1985|エドワード・ヤン


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