#3 夏映画ベスト10

私にとって、夏は映画の季節だ。

割と一年中観ているのに何故そう感じるのかをよくよく考えてみると、私が映画ファンになった頃に数年間通った映画祭が、夏の開催だったのだ。

『シネマコリア ※1 』 という映画祭で、大体同じ場所、同じ時期で行われていた。だが、例年開催されていた場所が建物のリニューアル工事を行うことになり、それをきっかけに(?)、映画祭は閉幕することになってしまった。

しばらく忘れていたが、この映画祭に行くことが、当時は楽しみだった。
あれは韓国語を習い始めた頃で、クラスメートやその伴侶たち(何故か夫婦で韓流好きな人たちが複数いた)と鉢合わせたりして、大騒ぎしていたことが懐かしい。

炎天下…

とにかく暑い。汗は出るし 歩くのもキツい。
でも、劇場公開しない可能性が高い映画が観られるチャンスなのだから…と、頑張って会場に行くのがとても幸せだった。
この経験が自分の身体に染み付いているからこそ、夏と言えば映画!なのである。

今は韓国映画以外の映画も観るようになった私だけど、今も夏に観る映画には心踊るし、良い作品はずっと心に残る。



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暑さから感じ取りたいと思うもの

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暑さは28度くらいから、ジリリと身体に負担を感じさせてくる。
だが、何故だろう。
暑い時に限って、私は熱いものが食べたくなる。

先日、従兄弟と食事をすることになった時も「熱いの食べたい」ということになり、何故か みんなで坦々麺を食べることになった。
熱い上に辛いので、ただでさえ汗かきの従兄弟たちは汗だくになっていた。
きっと私も茹でダコのように真っ赤になっていて、目に余るような熱苦しい女だったに違いない。


夏映画のチョイスも、似ているかもしれない…

夏のイメージには自由や開放感もあるが、胸が高鳴るのは 現状に追い討ちをかける状況
いつかは知るべきこと。そして、見て見ぬ振りができないこと
直視するのは厳しくとも しっかりと現実を知り、痛みを覚えつつもじっと耐える

私のお気に入りの夏映画を選ぶにあたり、そういう観点があったのかと改めて気づいた。
鑑賞後の私もきっと、目に余るような暑苦しい女なのだろう…


心を奪われるような魅力が、夏という季節にはある。

夏映画ベスト10 <感想>

  ※順位なし


君の名前で僕を呼んで

ストーリーがめっちゃ夏。そしてそれに伴う背景、景色、自然の色合いの全ても夏。しかも、思い出すだけで号泣するような、夏。喜怒哀楽の全てが美しく、人生の素晴らしさを物語る。

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ヤンヤン 夏の想い出

子供だけの映画だけじゃない。タイトル通りじゃない。でも夏だって楽しいことばかりじゃない。現実は厳しく、顔に縦線入ることが多いのだ。ヤンヤン(子供)のカメラアングルが好き。


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メモリーズ・オブ・サマー

知らないことが幸せだったということも、この世にはある。だが、知らずにおられず 覗いてしまったが最後、こじらせ人生に突入しそうな気配がめっちゃ夏。大人になるのってツラい…

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あの夏の子供たち

危機に気づかないように生きようとするのって欧米人ぽい気がする。何とかならない場合もあるが、何とかなるさという大らかさを皆が持っているような感じがして、日本とは違うなと思ったりした。


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夏時間

お父さんはどう思っていたのだろう。子供や孫たちのことを。喜んでいたのか、諦めていたのか。身内のもつれあいは現実的だが それでも残された者たちは生きていく…。弟が超可愛い。

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夏をゆく人々

いつも一緒にいる家族のことは知り尽くしているようで、実は見えていないことがある。近くにいすぎて気づかないことがある。季節や時間の経過と共に、変化していく感じがゾワゾワする。


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夏をゆく人々 [DVD]


歩いても 歩いても

生きるのはひとりのようであっても血は繋がっていて、良くも悪くも人はひとりじゃない。歩いても歩いても繋がりからは逃れられず、意図せずとも人間関係は続く…。心に沁みる、夏模様。

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キングス・オブ・サマー

コロナ禍で家にこもっていると、外に出て走ったり飛び跳ねたりすることが古い記憶に感じられる。「ヒャッホー!」とか叫んだのって何年前だろう?映画を観ながら思い出す、夏のリアル。

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冬冬の夏休み

子供の頃を思い出す。怠惰で我儘な感じ。ダメと言われたことこそ、気になってしまうあの感じ…。時代を感じるし、今の子供とは全然違うんだけど、この時代の良さがたまらない。


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八月のクリスマス

携帯がなかった時代のにじりよる寄るような恋心と にじり去る優しさ。 溶けそうなアイスを夢中で食べる幸せ、並べたお茶碗の可愛らしさ…。静かに想いを重ねようとする姿に胸が熱くなる。

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せつない夏の終わり…………………………………………

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夏休みの宿題を早めに終わらせてしまう子と、8月31日に悪あがきする子がいるとしたら、私は後者のタイプだ。

希望としては前者なのだけど、何故か途中で頑張れなくなって後回しにしてしまい、気づくと8月下旬になっている…。夏の終わりには格別のせつなさを感じるのだけど、それは、この悪あがきの記憶からくるものだろうか。

こんなはずじゃなかったのにという言い訳は、人生も半ばを過ぎた自分にも重ねることができる。そろそろ悪あがきが始まる頃なのかもと、恐怖におののくことがある。こんなはずじゃなかったのにという現実が、これからいくつも押し寄せてくるような気がする…

こうするべきだったのにという後悔、やっておきたかったこと、行ってみたかった場所、会っておきたかった人、観ておきたかった映画…

後悔しないために生きているわけではないが、振り返った時、微笑むことができる余裕があったら嬉しいなと思い、映画の感想をまとめている今日この頃である。

終わりに

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私は以前からホーム・コメディが好きで、TVドラマでも映画でも家族モノに 吸い寄せられてしまう傾向があるのだが、今回の10選は 全て家族と関わりがあるストーリーなので我ながら驚いた。このブログは映画の紹介というより、個人的好みを記録的に綴ることを目的としていることをご理解いただけると嬉しい。

まだまだ、夏はこれから!
コロナもまだまだ続いているが、今年の夏も楽しんでいきたい。



*1 シネマコリア…団体としては現在も残っており、別の方法で映画やアニメ紹介等の活動が続けられている





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