『歩いても 歩いても』映画感想 暑苦しい親類たちと蝶

是枝監督作品の中で一番好きな作品だ。日本人にとっては、あるある!、まさに! といったエピソードの連続。親しいようであっても 本音をさらけ出し合うのが難しい家族の情景が 痛いほどリアルなのだ。できる限り親しい間柄を”演じよう”とする感じや、触れてほしくない部分が透けてしまう気まずさ、語り合うことさえ微妙な状況などが刺さりまくる。自分のことだと直視しにくいのだが、まるで鏡を見ているかのように丸見えに思える。

2008|是枝裕和


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