2014|監督:リチャード・グラッツァー
自分ではどうしようもできないことのひとつに「病気」がある。未然の努力や工夫で防げることなら良いのだが、遺伝性のものもある。なす術がないと気づいた時…それはもう受け入れるしかない。受け入れる、というのは自分のことであっても難しい。これまでの経験や記憶で、この先も進んでいくはずだと思い込んでるからだ。
今年は『グッド・ハーブ』*1という美しい映画も観る機会があったのだが、近いテーマのようでありながら、違った感触を持てたことが妙に嬉しかった。似ているとか、同じような、というレッテルを勝手に張ってしまうことがあるが、人間はひとりひとりが違い、それぞれが掛け替えのない人生を歩んでいる。映画もそれぞれ。私にも、掛け替えのない私だけの人生があるように。
なす術がないと知ったら、私はどういう風に生き切るだろう。なす術がなく終わりのとき…私はちゃんとそれを受け入れることができるのだろうか。
*1:2010年のメキシコ映画