破裂するドリアン河の記憶

2014|監督:エドモンド・ヨウ

 

アート系でストーリーに固執しない方が良い作品。

だが、恐ろしく深い考えや目的があって作られているため、表現されていることのエネルギーが激しく観る者に襲いかかってくる。伝えたいことをいっぱい溜め込んだ感じだ。

美しい少女、アホ系男子、革命を叫ぶ女教師…誰を主人公と捉えるべきか迷いつつも、群像のように描かれていくエピソードを心の中で重ねていく。そしてスクリーンいっぱいに広がるマレーシアの迫力を全身で感じつつ、社会問題や登場人物の心の動きを追う。フィルムを観ているだけで涙が溢れてくるような、浄化作用のある不思議な感覚の映画。

(2014 東京国際映画祭

 

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