『ローサは密告された』映画感想 したたかに生きる

泣く子も黙る、世間の冷たさ。夜は暗いのに、さらに闇へと向かうような映画だ。その筋の人間ではなく どこにでもいるありふれた家族の物語、というところに引き込まれる。頼りない父ちゃんに比べ、ローサ母ちゃんは迫力がある。いざとなると精神的に強いのは女なのかもしれない。ラストで肉団子をほおぼる表情が最高。苦しくたって、お腹は減る。食べなくちゃ。生きていかなくちゃ。…どんな手を使っても、生き抜くしたたかさよ。

2016|監督:ブリランテ・メンドーサ|再鑑賞
第69回 カンヌ国際映画祭(2016)


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