『それだけが、僕の世界』映画感想 赦しと受け入れ

40歳の元プロボクサーという設定に、胸が締めつけられる。人生をやり直す、最後のシーズンだと思うからだ。知的障碍をもつ弟の隠れた才能が開花する過程も号泣に値するのだけど、この作品のテーマは別にある。母を赦して見送り、弟の手をギュッと握る男…。この立ち位置を演ずるのが イ・ビョンホンというのもナイスキャスティングだ。人生は望み通りになる訳ではない。とことん苦しんだその後が、彼の本当の人生のような気がする。

2018|チェ・ソンヒョン


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