1991|監督:ジョン・アヴネット
夫に愛されないおデブのおばちゃんの人生を変えたもの。
男性には「初老」という粋な言葉があるのに、女性は年齢を隠そうとする傾向がある。アラフォーだとかアンチエイジングとか。だからと言って実年齢をバラす勇気はないものの、正直ちょっとイタさを感じることがある。実態は増えゆく白髪を恨めしく思い、いつ来るかわからない更年期に怯えているというのに、ポジティブな方が評価が高いせいか「年齢に負けない」とかいうパワフルさを好む人が少なくないように思う。しかし、私はあんまり無理したくないと思う、ちょっとババくさいタイプの人間である。「中年だもの」と、みつをさんに一筆書いて欲しいくらい、年相応に生きたい。
更年期障害がもたらすものに、良からぬ噂あり。思うに同年齢の男性より早く「老い」を見つめる機会が早くなることだろう。確かに不安はある。だが、年齢を重ねたことによる「良いこと」もあるのではないかと、最近思い始めた。特に思うのは、年上の人との関わりが、以前より楽しく思えるようになってきたことである。人の人生って何て面白いんだろう。この映画でもそんなことをちょっと思った。