ブルカの中の口紅

2016|アランクリター・シュリーワースタウ

口紅は夢を見る

近年女性が権利を求めて奮闘する物語が増えているように思うが、これまた新しい感じの作品だった。特におぉ!と思ったのは、登場する女性が全員「正しい」とは言い切れない人たちだったところだ。ルールを破るとか、泥棒、ヤリまん、ストーカー(いた電話)…と、自分の希望(欲望?)を叶える為にコソコソしなきゃいけないことをやっている姿を映し出している。私たちは悪くないのに何故女ばっかり抑圧されるの?!…みたいな表現が多かったところに、この手の表現を女性監督がしてしまうのか!と、驚きさえ覚えた。「誰のお陰で飯が食えると思ってるんだ」…という男性のNGワードはまだ結構残っていると思うのだけど、男性の稼ぎ(生活費)を当てにしている女性もまだ全然残っている。そして女達はそれをできるだけオープンにしないで、あざとく当てにしている。女性の活躍女性の活躍、って言うけどさ、無理なもんは無理だし、苦しいことはしたくないよ。やりたいことをやって、好きな人と一緒にいたいだけ。この作品を観て、私は女性の自立とか人権とかは特に感じなかった。ただ、女性の幸せは男性が握っている(お金じゃないところで)、ということには妙に共感してしまい、同じ女性として励ましたくなったりするのだった。