私のヒーローたち

2017|監督:エリック・オン

こころが通うということ

近年になって学校の先生の超過勤務の多さが浮き彫りになってきた。事務仕事や部活動など、授業以外の時間も多すぎる…それは昔からなのだけど、私が子どものころは金八先生のドラマシリーズが長い間人気があって、学校の先生に憧れる子が多かった。先生の仕事は学校だけでなく、学校が終わってからも子どもの家を訪問するとか、夜回り先生(街を巡回する)みたいな先生もいたりして、24時間続く。けれども、子どもたちが可愛くて、みんなと一緒にいることが楽しくて、先生のような人間になりたくて、子どもも大人も楽しかった。でも…今は何か違う。親はモンスター化し、子どもはひとりでゲーム。それを嘆いても仕方ないのだけれど、やっぱり思ってしまう、昔は良かったなって。『私のヒーローたち』は古き良き時代を彷彿させるような映画だ。こんなこと言うとクサいけど、仲間とか友情とか青春とかが眩しい。人と人が良い関係を築いていくのには、尊敬と謙虚さが大切だ。みんなが同じ気持ちになることはとても難しいことだけど、少しずつ歩み寄っていく過程の描き方が素晴らしい。どんな風に教えるかではなく、どんな風に生きるかという、覚悟ある先生の姿も胸を打つ。
〈第30回東京国際映画祭 CROSSCUT ASIA #04 ネクスト! 上映作品〉