昔のはじまり

2014|監督:ラブ・ディアス

5時間38分の幸福

トイレの近い私は長い映画が苦手である。だが、これまで名前しか聞いたことのなかった話題の監督の作品が上映されるとなると、これはもう何としてでも観るしかない思う。昨年のTIFFで石坂PDにお会いした時、インターバルもないなんて(ラブ・ディアス)監督は随分厳しい方ですね、と言ってみたところ、「それがね、意外と上映中に監督もウロウロしてて、トイレ行ったりしてるんだよ…」とのこと。堅苦しく仰々しく鑑賞するのではなく、生活するように、生活の一部のようにただ流れる映画であってほしいそうだ。5時間超えだし、うーむ、そうかそうだよね…と油断していたら、最初っからアーティスティックな映像じゃああーりませんか。そして、障碍者とその家族の苦しみが描かれ、手助けすらできない神父が身悶えるという、内容的にも濃い作品。のん気な気分が一変、もう1秒も見逃したくない、と5時間38分中ずっと思っていた! これってスゴい! 食べたり飲んだりできないフィルムセンターでトイレにも行かず、集中した経験は、妙な達成感…。ラブ・ディアス監督、偉大なり。(でも、やっぱり映画は2時間くらいであってほしいです★)
〈第32回PIA FILM FESTIVAL 上映作品〉