キングス&クイーン

2004|監督:アルノー・デプレシャン

柔軟な考え方と生き方を肯定する

誰にでも「黒い部分」がある。映画を観ていると、つい主人公に共感してしまい、一緒になってワルモノを憎んだりしてしまうのだが、一方的に片方だけが悪いとは限らない。双方に問題がなかったかを確かめる必要がある。そうすると、善い人と思っていた人が実は何かを抱えていたり…。日々の暮らしの中でも、実はよくあることなのかもしれない。こういったことに気づいたり、目を向けながら生きていると、異様にフランス映画が面白くなってくる。また、黒い部分のある人がダメ人間でクズだからどうしようもない、ということではなく、そういう部分がある人も「ちゃんと大人」なのだということが、なんだかとっても清々しい。簡単に言うと「これでいいのだ!」とい う強い肯定。私は結構自分に厳しくて、反省とか否定をすぐにしてしまうのだけど、もっと自分の感情に素直になることも大切で、こんな風にしかなれなかったことにも、納得する必要があるのかもなぁ、などと思うのだった。いいのだ、これで。不十分な人間であっても、自分を信じて生きる大切さに、妙に納得してしまう作品である。