イスラーム映画祭2

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以前から気になっていたイスラーム映画祭。

昨年は1作品しか観に行けなかったのですが、今年はタイミングよく行くことがことができたので、なんと全上映作品(9本/『神に誓って』は既に鑑賞済)!を観ることができました。
どれも素晴らしい作品でした。

記念にショートレビューを、まとめて載せておきます。
(開催時期:2017年1月)

 

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● 私たちはどこに行くの?
キリスト教vsイスラム教…小さな村なのに、男たちの宗教対立は日常茶飯事。嘆かわしい「死」に胸を傷める女性たちが、知恵と色気で男たちを変えようと奮闘する。想像を絶する素晴らしさ!タイトルも意味深い。(仏・レバノン・埃・伊)

 

● 敷物と掛布
ドキュメンタリーではないが、記録映画的な作品。まだ時間がそんなに経過しているわけではないのにリアルな映画を作れるところがすごい! 2011年、ちょうど友人がエジプト旅行に行き、帰国した途端に騒動が起こったことが思い起こされる。(エジプト)

 

● 泥の鳥
敬虔な信徒であっても、真剣に祈っても、叶わないことがある。その時人間はどうするべきなのか…映画を観終わった後もずっと考えている。結論は出せないものの、心に響くものは大きい。子どもの素直な感覚や女性の声も表現されている。(バングラディシュ・仏)

 

● 蝶と花
貧しい父子家庭の長男が生活のため、闇仕事に足を突っ込むことに。違法な仕事ではあるが仲間には恵まれ、様々な経験をしながら成長していく。学校、街、汽車、祭…色々な風景から当時の匂い立つような雰囲気が感じられる名作。第2回TIFF上映作品! (タイ)

 

● 改宗
ムスリムの男性に求婚された女性のドキュメンタリー映画。仕事を辞め、家族と離れてイスラム教徒になるなんて…覚悟がいることだと思うが、運命に身を任せて生きようとする彼女の姿がまぶしく映る。初めての断食(!)など、興味深い様子も垣間見える。(タイ)

 

● バーバ・アジー
場所も日時もわからない集会に出席する為、おじいさんと孫娘が砂漠を行く。宗教に基づいている(と思われる)言葉のひとつひとつが深い。道のない砂に、足跡はつかない。けれども使命を見つけたのなら…歩くしかないのだ。(チュニジア・独・仏・伊)

 

● 十四夜の月
ムスリムの女性はヴェールで顔を隠すため、男性はなかなか女性の顔を知ることができない…。そんなこんなで「勘違い」が起きてしまい、三角関係がもつれる。全員悪くはなく、罪深くもない。友情や愛情への誠実さが感じられるだけに、切なくも悲しい。(インド)

 

● マリアの息子
牛、山羊、アヒルたちの姿が可愛らしく随所に盛り込まれていて、違う種類の生き物が共存する当たり前が自然に描かれている。宗教の違いによる対立ではなく、宗教が違っても人間の願いや神を信じる真摯な姿は同じなのだと感じさせられる作品。傑作!(イラン)

 

● ミスター&ミセス・アイヤル
子連れ女性と男性カメラマンのロードムービー。言語も宗教も異なる二人が移動中、予期せぬ危機的状況に巻き込まれてしまう。だが、助け合う内に少しずつ互いの人柄に惹かれていく…。苦境を乗り越えた者同士の絆は、恋に似て切ない。(インド)