PK

2014|監督:ラージクマール・ヒラーニ

喜怒哀楽が忙しい、極上のエンターテインメント。宇宙人から見た地球。

ズルいほどに全部盛りの作品で、インド映画の凄さにただただ圧倒される。最近のインド映画は少しずつ様変わりしている気がするが、ラージクマールは「歌って踊る映画」が好きなインド映画ファンのことも忘れない。観客のテンションを最高潮に盛り上げながら、見事にストーリーを展開させ、しっかり泣かせてしまうのだから言葉を失う。宇宙人、ショートヘアの快活なヒロイン(こういう髪型のインド人見たことがなかった)という登場人物の新しさに加え、差別、恋愛、親子関係等々、これでもか!というくらい山盛りなテーマを自由自在に操る。そして誰もが取り上げにくかった「宗教と神」への向き合い方を問うているのだから驚きだ。人間の愚かさや、自信のなさや、ずるさにうなだれつつ、宇宙人が恋するくらいに地球人である女の子が魅力的だったことが嬉しい。脈絡のないレビューになってしまうけれど、この映画で最も胸にズシンときたのは、時代を反映するショッキングな出来事が盛り込まれていた場面だ。…あぁ、スゴい。もう一回観よう。

 

*「ぴあ映画生活」様、試写会のご招待、ありがとうございました。*

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