2013|監督:ブケット・アラクシュ
何とかして妹より早く結婚しなくては!(必死)
トルコでは産まれた順に結婚するしきたりがあるようで、姉より妹が先に結婚するのは許されないらしい。移民も2世になるとドイツ国籍という気持ちの方が大きいので、トルコのしきたりなど、どうでもよいと思うのだが、親はそれを許さない。(ルーツを大事にするか、現在の生き方を優先するかで迷ったり、親の前では良い子でいたい気持ちがすごく理解できる!)姉は、妹の希望を叶えてやるために妹より先に結婚しようと、あの手この手で努力するのだが…。
テーマとしては深いものがありながら、これをコメディタッチで勢いよく表現してしまうところがスゴい。残念ながら努力は空回りし、親との不仲にまで発展してしまうのだが、親子の絆、姉妹の絆の深さが伺えるエピソードが連発され、そのひとつひとつに胸打たれる。移民のアイデンティティや伝統の継承といった問題は、現代を象徴するテーマと言えよう。最後に映される仲良し家族の歌声が楽しい。トルコ人の明るさや、思いやりの深さがとても感じられる。