運命のつくりかた

2003|監督:アルノー&ジャン=マリー・ラリユー

素っ頓狂な出会い。素っ頓狂な別れ。素っ頓狂な再会。素っ頓狂な復縁。

特に嫌いな作品がある訳でもないのに、フランス映画はどうしても敷居が高いというか、私には難しいんじゃないかと臆病になってしまうところがあって、何となく苦手意識があったのだけど、昨年ぐらいから「意外とイケるかも」と思い始め、この映画で完全に克服を実感! …脚本もキャスティングも映像も全部良くて、完全にノックアウトされた。いいですねぇ、フランス映画。
近年、懐古的な映画がウケているように思うのだが、本当に「昔を振り返る」ことができるのは、中年以降の人々の特権のように思う。自分もその世代となり自身の過去も振り返るようになったのだが、多分、この経験がないと、懐古的な映画に感動することはないような気がしている。*1ありえないけど映画だから〜、ではないものを自分の中の想像力と併せて愉しむ喜びと言ったら! 特に面白いのは再会以降から。互いに気付いてるのにずっと知らんぷりしてるふたり。気持ちを探り合った序盤と同じセリフである「私のパジャマはどこ?」を今度は妻が言うようになるシンメトリー風な作りもオシャレ(本当はパジャマなんていらないとこも…)。他者から見ると「素っ頓狂」であっても、愛って素敵。

*1:この作品はものすごく昔を振り返っている訳ではないけれど

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