2015|監督:松居大悟
大好きなバンドを追っかけて東京に行こうとする女子高生4人組のロードムービー。
『リンダリンダリンダ』を彷彿させるような、この年代特有の弾け方やキラメキが溢れていて、鑑後感も悪くない。(リンダ…より、ぶつかり合い方が突っ込んで描かれているように思える)ただ。 *1 こういう女子高生っているのだろうか。旅行経験のなさそうな地方出身の女の子たちがノープランで旅に出る、という設定自体に無理がある。どうしても東京のライヴに行きたいのなら、お小遣いを貯めるなりバイトするなりするでしょう、普通。今日日小学生の方がリアルな旅行プラン立てると思うのだが...。また、クラブで盛り上がる時間あるなら、青春18きっぷなどで地道に向かえば良いのにとか、ありえなさをいちいち噛み締めてしまってイライラ。 だが、リンダ…以降にこの手の映画を作った意義というものもあって、SNSの怖さとか女子高生らに軽んじられている性の価値感など、現代の風潮が表されているところは特筆すべき点である。優しい親や、マメに連絡をくれる彼氏もいるのに、キャバクラで働いたりヒッチハイクで出会った男性に手出しされても抵抗が見られなかったり。好きなバンドを追っかけたい気持ちは素敵。壊れそうに恋しちゃう気持ちも素敵。でも、手っ取り早く水商売でお金を稼いで追っかけてきたファンを、クリープハイプ*2はどう思うのだろうか。また、クリープハイプファンの激怒もわかる気がするし、昔に比べて「若気の至り」が許されにくい世の中になっているなぁなど、考えさせられた。「キュン」以外の日本社会の色々に触れることもできる。