2012|監督:ダーフィット・ジーヴェキング
アルツハイマーの母を見守る監督&家族のドキュメンタリー。
母がメインとはいえ、この作品のテーマは「家族愛」のように思える。でも、肝心の「家族が団結する理由」や「母という人間(女性)のどんなところを愛していたのか」がよくわからない。そこが問題。この映画では、介護の問題は結局お金で解決していて家族間のドロドロは見せていない。また、子どもの頃は知らなかった両親の若い頃の考え方&生き方を知ることになり紹介もしていたけれど、監督やお姉さんがそういう両親をどう思ったかが表現されていないので、彼らにとって母がどういう存在だったのかが残念ながら伝わってこなかった。両親の新しい生き方を自慢に思うのか、悲しいと思うのか、それによって母への愛情だとか、どんな介護をするのか、という思いや考えが違ってくるような気もするのだが…。一般的な家族愛だけでない描き方だったように思えたため、何を伝えたいのかをもう少し知りたかった。
期待値があまりにも高かったので、ちょっと辛辣に書いたが、作品としてのまとめ方はとても上手くて、暖かく優しい気持ちにさせてくれる映画。セルフドキュメンタリーをどう捉えるか、って難しいなぁ。