ジョゼとピラール

2010|監督:ミゲル・ゴンサルヴェス・メンデス|ポルトガル、スペイン、ブラジル

ポルトガルの作家、ジョゼ・サラマーゴと妻の日常(ドキュメンタリー)。

人生も半ばを過ぎた頃から、この先希望がないなら早く死にたいと思ったりする。自殺する勇気はないけれど、現世には希望がないように思えるし、夢見てるとバカじゃないのと言われかねない年齢にも差し掛かっている。そんな悩める中年の私にとって夢のような映画だった。ジョゼ・サラマーゴは60を過ぎてから、作家としての活動に専念するようになり、なんとノーベル賞も受賞。美人の奥さんと結婚、80歳を超えても精力的に世界中を飛び回った。…こんな人生もあるのか、と思うと驚きの一言しかない。
また、妻のピラールも素敵だ。衣食住等のプライベートだけでなく、忙しい夫のスケジュール管理や秘書的業務をキビキビとこなし、夫が仕事だけに全力投球できる環境を誠心誠意整える。…うわぁ、コレこそが私の夢なんだよなぁ。若かりし頃、夢は「お嫁さん」と答えると、多くの人に鼻で笑われたのだけど、コレ、笑いごとじゃあありませんよ。相当大変な任務だと、今でも思う。心の底からこういう女性になりたかった…。夫がいないので残念ながら活躍の場がないけど、来世では夫を全力で支える妻になりたい。

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