1955|監督:グル・ダット
父親の遺産を相続するためには、20歳1ヶ月までに結婚しなければならない。
安っぽいドラマみたいな相続条件で笑った! 相続させるためと、結婚で苦労しないために(男の奴隷にならたいため)叔母は愛のない結婚を進め、さっさと離婚させることを企てる。ところが、結婚させようとした男が娘に恋してしまい、状況が変わってしまう…。
この作品がグルダット監督作品でなかったら、そんなに深く考えなかったかもしれない。だが、グルダットだと思うからこそ、意外というか、こういうコメディーも作れたんだ、彼にも明るい時代があったんだ…と嬉しくなって、よりテンションが上がってしまうのだった。(グルダットは何を隠そう、私がインド映画に感銘を受けた最初の監督なのです)最初に観たのは『乾き』。あまりにも衝撃的だった。悲恋の最高峰、『紙の花』も忘れがたい。本作はコメディだが、才能ある若者が世に出るチャンスがなく、人々にゴミ扱いされる無念さ…のような部分はそれらの作品と共通することのように思った。何とも残念なことだが、これは今の世もあまり代わり映えしないことかもしれない。