映画とティーチイン、どっちが大事?
映画ファンにとって、秋は多忙な季節である。
だが、何故かこの時期に限って(?)仕事が忙しかったり、気になるイベントの開催が続々と決定する。
TIFFと東京フィルメックスだけは優先順位を先にしたいと毎年思っているのだが、実現できた試しがない。非正規労働者はつらいよ。
今年のフィルメックスも結局平日は全滅…という、最悪な事態に見舞われたため、
スケジュール調整を悩みに悩んだ末、今年はホウ・シャオシェン作品のみを観ることにした。
アジア映画好きには有名な監督のようだが、私にとっては今年出会ったばかりの監督である。
運の良いことに、今年の春頃、ホウ監督の特に有名な作品を2本立てでスクリーン鑑賞する機会があり、すっかり魅了されてしまった。
実は、その後ホウ監督の作品をレンタルショップでも探して1本だけ観たのだけど、この監督の作品に関してはスクリーン鑑賞しないと意味がないように思った。
フィルメックスは実にナイスなタイミングだった。(新作は観に行く時間がなかった…無念)。
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映画が終了すると、何とホウ・シャオシェン監督がご登壇!
こういう情報は直前にならないとわからないらしいのだが、時期的に忙しいので、HPを再確認している時間がない。だいたいチケットが取れた時点でホッとして、別のスケジュール調整に入ってしまう。だからほぼ毎年、当日に驚く。
そして困るのは、ハシゴすることを決めていた時だ。
ティーチインに丸々参加してしまうと、次に観るべき映画が始まってしまう!
若かりし頃は事前にサンドイッチとか準備して*1スキマ時間で食べたりしたこともあったが、映画にどっぷりと浸かって理解したいと思うなら、頭の休息も必要である。
トイレタイムも必要だし、私にとっては映画よりごはんの方が大切だ。
…そういうことを考慮すると、映画と映画の間に1時間程度の余裕がほしい。
以前、TIFFでも急遽主演俳優の来日が決まったことがあり(多分当日)、見たくてたまらなかったことがあった。
だが、その日は朝食をきちんと取っておらず(午前一番の上映に間に合うよう、早起きしたため)、昼を食べないと絶対次の作品に集中できないと思った。
でもどうしても見たいし10分だけでもトークが聞きたくて(結局15分聞いたけど)、でもどうしても何か食べたくて、その映画の主演俳優&監督に泣きながら別れを告げ(心の中で)途中で退席し、急いでポップコーンセットを買って(それ以外に食べられるものが売店に売っていなかった)、次のシアターにダッシュで移動したことがある。(トイレに行く時間はなかった)
基本的にはトークやティーチインに参加したい気持ちはあるが、ハシゴの場合はこういう危険性があるから困る。
あの経験以降、ハシゴの場合はティーチインに出ないことにしようと決めていたのだが、ホウ監督来てるの?!と思ったら一目でも見たいという気持ちが抑えられなくなった。
でも今日は2本目もホウ監督作品なので、そちらでも見られることを期待することにし、かなり、かなり残念だったが諦めることにした。…ううう(涙)。
それでも、しっかりご飯をたべられたので、午後の映画もバッチリ鑑賞することができた!
やはり、自分ルールを守って正解。
体力や気力などで価値観が違うとは思うけれど、人は人、自分は自分。
2本目の映画の後半で、私の席の比較的近くの扉付近に帽子をかぶったおじいさんのような人が入ってきた。
私はホウ監督のお顔を知らなかったけれど、多分監督だろうなぁと思った。
その男性は途中で扉から出られたが、映画が終わってからご登壇されたホウ監督だったので、とても嬉しかった。
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今年も良いフィルメックスだった。
市山さんもお元気そうで何より。
来年こそは、一週間有給を取って毎日行きたい。(←毎年言ってる…)
*1:事前に来日情報などがわかっていた場合