#1-1 シネマミュージアム 2015

ショートショート
フィルムフェスティバル&アジア
シネマミュージアム ー秋の特別上映会ー

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先週、東京都美術館にて「シネマミュージアム ー秋の特別上映会ー」が開催された。
秋。私の好きな季節である。
いよいよ映画祭シーズンが到来。いざ、颯爽と上野へ!

それにしても、都民でありながら上野がこんなに混雑しているなんて知らなかった…。
緑が多く動物園も近いことからハイキング気分で行ったものの、混雑のあまり前進すること自体が難しい。

東京都美術館の写真を何とかしてキレイに撮りたかったのだけど、どうしても人の顔が映ってしまう。
仕方なく、無理やり下から上を撮ることに。(上映会のあった講堂は地下1階だった)
人混みの苦手な私にとっては序盤から体力を消耗することとなった。やれやれ。

☆…

ショートショートフィルムフェスティバルの認知度が世間的にどの程度のものかはよくわからないのだが、私が想像するよりずっと人気があるようだった。

事前申し込みが必要なのだが、申し込もうとすると「満席」が多い。
かと思うと、上野では「無料で上映会やってるんで、是非お立ち寄りください〜!」と呼び込みをしているスタッフもいたりして、あれれ?とは思うのだけど、それなりに人が集まっているのは確か。

無料とはいえ、人を集めることは難しい。
ましてや10分や20分の映画で何ができるんだ?という人もいると思う。
実は私も以前ショートムービーには偏見(?)を持っていて、そんなの映画じゃない…と思っていたひとりだった。

だが、とある映画祭で素晴らしいショートムービーに出会い、侮れない!と思ったことがあった。
しばらくして『ネスレシアター』の存在も知ることとなり、そちらでも幾つか作品を観せていただいたが、ちゃんとした「作品」であることに驚かされた。

それ以降、短編映画に対する考え方がガラリと変わった。

☆…

短い映像の記憶を少し記録しておきたい。

☆…

昭和の話になるが、私の幼少期のドラマの主流は「1話完結」だった。(「水戸黄門」みたいな感じ)
コマーシャルやクレジットも含めての1時間という枠の中で、ストーリーが完結する。
コレって今思うと結構スゴい。1時間以内で起承転結があり、喜怒哀楽が詰まっている。

そしてそれが終わった時の安心感と言ったら…
問題や事件がちゃんと解決するので、ドキドキハラハラしたとしても、ドラマが終わるとホッとする。
「つづく」が好きな人もいるとは思うけど、私は1話完結が好きだった。

そして、そういうドラマを何本も何本も見た。
家族と一緒に。あるいは、友達や いとこたちと。
それを何年も何年も続けた結果、体質みたいなものが自然に出来上がってしまったのではないかと思われる。

数年前の韓流ブームで韓国ドラマにハマった人たちとは今だに仲良くしていただいているのだが、同世代の彼女らは連続してドラマを見たがる傾向がある。長編を1話ずつ調整して見ることができないのだ。
DVDやWeb上でドラマ一本分が丸ごと手元にあると、次が待てない。
社会問題にもなったが、家事もできず睡眠時間も減らして連続鑑賞してしまう。

あの中毒性のようなものは何なんだろうねとよく話していたのだが、もしかしたら「終わり」を知りたいからだったのでは?と、ようやく思いついた。

生きてる限り、日常に終わりはない。
架空の人物であっても、その人物が死ぬまで終わりはなく、時は続く。
でも物語には終わりがある。
____どうにもこうにも「終わり(終わらせ方)」が気になってたまらないのだ。

…人によって違うかもしれないが、ドラマの終わりにこだわりを持つ人も多かったのではないだろうか。
特に昭和の人々。
1話完結に馴染んでいる人々は終わりの安堵感、次へのワクワク感が忘れられない。

私はドラマではなく映画にハマった人だが、ドラマに比べ、映画は2時間程度で完結するのも魅力のひとつだった。(時間や体力のない私は韓国ドラマにハマる勇気がなかった ←たまに見るけど…)

考えてみるとドラマ以前に子どもの頃から見ていた「サザエさん」も短編である。
短いお話を3本も…毎週続くのにちゃんと終わる物語たち。改めてスゴいと思う。

☆…

支離滅裂にドラマの思い出を書いてしまったが、ともかくこんな風に子どもの頃から1時間以内のドラマにたくさん触れてきた。
ショートショートフィルムフェスティバルで上映されるショートムービーは25分以内の作品で、一般的な1時間ドラマよりさらに短いが、何かを短時間で表現しようとすることには、すごく興味がある。
ショートムービーとの関わりはまだ浅いが、するりと私の感覚に馴染んでいるように思う。

(あまりに短いので)もっと見たかったな、と思う作品、
もう少し肉付けして2時間の映画にしてほしいと思う作品、
完成度が高いので、20分程度の時間で充分だと思う作品…
闇雲に終わりに執着している訳ではないけれど、もちろんエンディングも楽しみのひとつだったりして。

☆…

映画を通して、少しずつ色々な世界を知りたい。
長い映画の想いも大切だが、短い作品にも価値がある。
その発想やきらめきを、ショートムービーの世界でも見つけていきたい。 <完>

 

(映画の感想は次回につづく)

 

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