2013|監督:マルク・フィトゥシ
田舎暮らしの主婦がアバンチュールを求めてパリへ。
ホン・サンス監督はフランス映画っぽいとか言われても、全くわからない日々が何年も続いていたが、この映画を観て初めて「なるほどね!」と納得した。原題もホン・サンスっぽいし。というかホン・サンス監督の『アバンチュールはパリで』(邦題)をもじっているのかなと思うくらいだ。もじっていなかったとしても、この邦題は素晴らしい。私のようなフランス映画初心者には優しいタイトルだと思う。(内容がこのタイトルに詰まっている!)
それにしても、登場する牛たちの可愛らしいことったらない。最初に登場する牛も、出産する牛も、雌牛と離れ離れにされて落ち込んでる牛も、みんな。また、牛の気持ちを代弁しながら自分の気持ちを伝える夫の可愛らしさにも、キュンとする。本作ではアバンチュールで痛い思いをする人はおらず、いつもの生活に戻れる安らかさが描かれている。あるある!感はないが、見終わった時の ほっこり感はなかなかのものだ。