2012|監督:イヴァーノ・デ・マッテオ
ささやかな幸せは、当たり前ではない。転落なんてあっという間。
自分は女だからこれまであまり深く考えたことがなかったけれど、男は家庭を養うことに強いプライドがあるのではないかと、考えさせられる。それは女・子どもが想像するよりもずっと強い責任感と優越感なのだろう。だからこそ自分が家族を支えられなくなったと気づいた時、一挙に精神的に崩れたのでは。多分自分自身の食事とか住まい云々以前に、男としてのプライドがあった…だから簡単に家族に弱音を吐けなかったんだろうなぁ。突っ込みどころはあるものの、男のプライドを中心に考えながら観ると、主人公は憎めない。一度の過ちを、妻に許してもらえることを願う。優しい子に育った娘の成長が感じられるラストに、希望の光が感じられ、ホッとする。