2010|監督:エドワード・ヤン
おばあちゃんが倒れてから亡くなるまでの、ひと夏の色々。
ヤンヤンというのは8才の男の子の名前だが、彼がメインの話とは言えない。おばあちゃんが倒れてからの一家全員の、それぞれ個人的な出来事を群像的に描いているからだ。立場や年代によって関心ごとや悩みが全然違い、それぞれがあまり家族に自分のことを話さない。心が通い合っているようには思えないが、それでも家族であり、それほどおばあちゃんに尽くしているようには見えないが、亡くなれば悲しむ。現実の世界もこんなものかもしれないと考えさせられる。個々の物語もそれぞれが深く魅力的だが、特にヤンヤンがおばあちゃんがに語るラストのまとめ方が素晴らしい。この時代にイッセー尾形が出演していることも興味深く、彼の存在感や日本ロケのシーンにも感動。