蛇イチゴ

2003|監督:西川美和

美しいバラの花にはトゲがあるけれど、毒がありそうな蛇イチゴも可愛らしい。
これって感覚がなんか似てない?…と思う。
自分がどんなに正しく生きているつもりでも、自分の努力で変えることのできないことが世の中にはある。健康状態や国籍、親の職業だったり、兄弟の職業だったり。自分のバックグラウンドが全部正しくないと、いくら正しさを叫んでも世間に相手にされなくなる可能性もある。本作の女教師のように。
正しい世界で正しさが認められなくなった正しい人はどうするのか…非常に興味深い。だが、この映画ではそれ以上に、(世間的に)正しいとは言えない人にも真実がある(かも)、というところがすごく面白い。それに嘘みたいに蛇イチゴが可愛らしいのだ。

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