海へ行こう!

2014|監督:イジー・マードル

11歳はまだまだ希望でいっぱいの年齢だ。
祈ったり努力したりすれば、希望が叶うと信じている。正論をぶつけたら勝つと思っている。(多分)…私もそうだったかもしれない。のびのびと、堂々と自由に、生意気にも自分のやりたいことだけを考えていた、あの頃!
美しい街並みや家の中の様子がすごく魅力的で、羨ましい!行ってみたい!…と、前半はただチェコの雰囲気に憧れるだけだったのだが、ストーリーがだんだん深くしっかりしたものになっていって、序盤の感覚とは随分違った終わり方になっていた。全体的にとてもていねいに練られた作品だと思う。
結局、主人公が海に行くシーンはない。チェコには海がないのだそう。様々な経験や別れを繰り返しながらも、まだ見ぬ世界への好奇心と憧れが、生きる力となっているように思えて微笑ましい。

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