私たちの生涯最高の瞬間

f:id:cinemarble:20210726183048p:plain

若い頃、
「若いっていいわねぇ!」と 
色々な大人たちに本当によく言われた。

私はその言葉を
どんな風にとったらいいのかわからず、
いつもへらへらと笑っていた。


賞賛?
ヒガミ?
ノスタルジー的回想?


とっくに還暦を過ぎた母は、
こんなことを私に言う。
「まさかこんなに歳をとるなんて、思ってもみなかった。」


自分も年齢を感じ始めたのは 
去年ぎっくり腰をやってからだ。
立つのも座るのもご飯を食べるのも笑うのも 
すべての動作が痛い。

すぐに治るだろう…と思っていたのだが、
予想以上に回復に時間がかかり、
年齢を感じざるを得なくなった。


私の体は凝り固まってしまった筋肉が 
もう普通の状態にならないくらいに堅い。

マッサージに行くと、
「ほぐせません」と
大まじめに言われてしまう。

それでも、普通に動いたりご飯を食べたり
仕事をしたりできるようになったので、
元気な人とほぼ同じように
体を動かして生活している。


気づくと職場では新人なのに最年長である。

ひとまわりも年下の先輩に
敬語を使いながら仕事を教わり、
年下の上司の指示に従う。


情けないったらありゃしない。
こんなはずじゃなかったよと
心の中で号泣する。


グレたこともないし、
不真面目に生きてきたわけでもないのに。
一体どうしてこうなっちゃったんだろう。

くやしいけれど、
こうしてでも仕事をしなければ
食べていけない。
ってゆーか、
この齢で転職できたことすら、ありがたい…


頑張って生きてきたはずなのに、私。 


私の人生はこんなものかと思うと、
正直、うなだれる。



それにしても最近、
30代女性のパワーを感じられることが増えた。

俳優やミュージシャンなんかでも、
ティーンより30代の活躍が目立つように思う。
特に女性。

世の中に求められているのが
ふわふわとした美しさでは
なくなってきているのだろう。

だけど、
それをおばちゃんパワーと言われると、
それはそれでムッ!とする。

最近ようやく
おばちゃんの自覚ができてきた。

しかし、独身の私にとって
それを認めるのは
なんとなく寂しいことだ。
もちろん現実を知るべきなのだけど…。


そんなこんなで、
映画の中の30代女性には 
やたらと肩入れしてしまった。


オリンピック選手とか監督とか、
社会的名誉ある立場にある人たちの私生活が
暗いシュチュエーションで描かれている。

30代。

離婚、シングルマザー、
夫の借金など経済的な不安、夫の病気…
プライドを捨て 、
生きていくためにやらざるをえない状況。


体力的にはきつくなってきているし、
若い選手より優れた面を評価してもらうのは
難しい。
しかも、オリンピックというプレッシャー…

スポ根モノと言ってしまえばそれまでである。

だが、状況は全く同じとはいえないにせよ、
自分の日常を思い起こしながら映画を観ると、
感情移入がひとしおだった。


すべての困難をはねのけて、
試合に集中する彼女たち。

すべてをかけて戦えば
金メダルがとれるかといえば、 
そうとは限らない現実。

金メダルのチームの映画化なら
ありがちだけど、
こういう現実に
あえて着目しようとする韓国映画が 
私は好きだ。


私は幼い頃から「頑張れば夢は叶う」と
思いすぎていた。
頑張っても叶わないことがある現実を
知るべきである。

己の力を知るべきである。

知った上で、どう努力したらいいか、
策を練り、それでもやろうと決めたなら、
腹を据えてやってみる。

やってみて、意外とイケるかもしれない。
人生は大博打。
何が起こるかわからない。
腹を決めてまで
やりたいと思うことがあるのは、
とても有意義なことだ。


リスクを恐れず、無我夢中で
がむしゃらに頑張ることができるのは、
「最高」にカッコいい。

生きてるからには
そういう瞬間を大切にしたい。


f:id:cinemarble:20210930103433p:plain



メモ(>703)
個人的に好きなのは サインのシーン。