家族の誕生

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韓国映画に限ったことではないけれど、
映画は時間の芸術だ。


多少の短い、長い、というような差はあれど、
大体が2時間前後で
言いたいことを伝えなければならない。

その作品のどこにポイントをおくか。
それを考えるのが作り手にとっては
苦しくもあり、楽しい作業なのだろうな、と思う。

テーマというものが
はっきりしている場合は特に、
どこに時間をかけるのかはとても重要だ。

長い長い原作を映画化する場合は 
2時間では難しいだろうなと思うことが多い。


私の周囲の韓タメファンと話していると、
ドラマ好きだという人が圧倒的に多い。

話を聞いていると、
やはり心の動きが丁寧に描かれているからだという。

映画では細かい設定などが
かっとばされていることが多いし、
テーマも奇抜で
共感しにくいものが多い、とか。
…確かに。

細かいことをはしょってはしょって
ストーリーの筋をとにかく伝えていくか、
テーマにそった「ポイント」を
時間を掛けて丁寧に描くのかも問題だ。

映画の存在と役割を
唸りながら考える今日この頃である。


私も時間があるなら、
ドラマが観たいほうの人だ。

特にストーリーの
「つくり」(構成、っていうのかな…)で
勉強になったのは『愛の群像』。

しかし、
なかなかドラマを観る時間がもてない。

一昨年位までは
けっこう頑張って観ていたのだが 
長いドラマにつきあってはいられなくなってきた。

だから 2時間で完結してくれる映画は
私のようなせっかちな人に
ぴったりなのである。


そんな風に生活スタイルにあわせて
映画を選んでいるような感じだったが、
実は韓国ドラマの経験は
結構あなどれないことに、 
ふと気づかされた。

映画『家族の誕生』では
ドラマに出ていた俳優たちが
ドラマとは違う表情を見せているからである。

もちろん、役柄が違うのだから
あたりまえなのだけれど、
私にとっては
自分の韓タメ歴が長くなってきたことに
驚きと喜びを感じた。


たとえば、オム・テウン。
ドラマ「復活」では
あんなにシリアスな顔をしていたのに。
優しいお兄ちゃんの顔とも、
復習に燃える男の顔とも
全く違う顔を本作では見せている。
…面白すぎ。

たとえば、コン・ヒョジン。
ドラマ「サンドゥ!学校へ行こう」は
悲しいラストだった。
(でも彼女の笑顔は超かわいい)
ドラマ「雪だるま」でも切ない役どころだった。
けど、ちょっと逞しさを感じられる、
大人の女性の表情も見られる。

そして、ムン・ソリ。
いい女優ですよね。
笑っちゃう。
ドラマ「太王四神記」とはもちろん別人。
こういう、ナチュラルな感じの役、
もうちょっと早く見てみたかった〜!と
思うほどだ。
他の映画でも結構キャラ濃いのが多いように思うので。


韓国俳優に馴染んできて、
その人たちの出演してきた作品などと
比べたりしながら映画を観られるのは
結構おもしろい。

それは、
コツコツ韓国ドラマを観てきたからこそ
味わえる感覚なんじゃないかと思った。


狂ったように何でも
韓タメを観ている人に出会うと
若干イライラしたものを感じていたけれど、
最終的に自分なりに
わかるようになればいいのか〜と変に納得。
(ああ、こうやってアジュンマ<おばちゃん>と
呼ばれるようになっていくのだろうか・・・。)


出演者についても感慨深いが、
ストーリーの作りもとても感慨深い。

3つのテーマを
最終的にひとつにまとめ上げる手法は
すばらしい。

私はこの作品を観ながら
「本当に時間内にまとめあげられるのか?」と
ハラハラしながら観ていたので、
最後は「やられたよ〜!」と思い、爆笑した。


オム・テウン、やってくれるじゃん。
いい表情。


このブログでは、できれば
韓国映画に触れたことのない人にも
わかるように文章を載せたいと
思っているのだけど、
『家族の誕生』に関しては
どうやら無理そうなので 
思いのままにちょっとミーハーな視点で書いた。

経験が邪魔をすることもあるとは思うが、
経験の積み重ねから見えてくる面白さもある。

この作品ではそんなことを
しみじみと感じたのだった。