妻の愛人に会う

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ストーリーは極めて単純である。
時々シュールな出来事が織り込まれているが、
予想外に奇抜ではなかった。

でも、「嫉妬」という、
美しくはないけれども
非常に人間的な感情には釘付けになった。


思いがけない追体験をしたように思う。
内容はタイトル通りで、
男は妻の浮気相手=愛人に会いに行くのである。


自分の経験では 
私もかつて、恋人のいる人を一方的に、 
しかもかなり真剣に
好きになってしまったことがある。

しかし、私には、
恋人のいる人を好きになってはならないという 
かたくななポリシーがある。
略奪愛とか不倫は全くもって考えられない。

でもその時はどうしても
自分の思いを大切にしたかったので、
「見守ること」のみを自分に許した。

だが、そこからが嫉妬との戦いであった。


彼女に対しては「何、アノ女!」と
ライバル心が激しく燃えたぎる…。 
初めから勝負は決まっていても、だ。 

あの子より自分のほうが秀でている点は
何ひとつないこともわかっているのに、
口きくもんか、仲良くしてやるもんか、と
思ってしまう。

しかし、一方では、彼が選んだ人が
悪い人な訳がないという考えも浮かぶ。

自分にとって彼は絶対的な存在だ。
変な女を選ぶはずがない。

きっとあの子はやさしくて、
女の子らしくて、かわいいんだろう。

そして、
同じ男の子を好きになってしまった私たちは
もしかしたら似ているのかもしれない。

もし、好きになった男の子が
ジャニーズ系アイドルだったとしたら、
きっとファンクラブで仲良くなって 
一緒に出まちしたり、うちわを振り回して
キャーキャー言っていたかもしれない。


本当は私たちは、
仲良くなれたのかもしれない…。
実は、そんなことを考えたことがあるのだ。


結局“仲良く”はなっていないにしろ、
『妻の愛人に会う』の最後の方で 
クリスマスに男二人が謎の再会を果たしている。

その光景を見たところで、
私は忘れかけていた記憶がぐわーっと甦った。


本当に嫌いな相手なら、
一緒に長時間過ごしたり、
再会しようとは思わないはずである。

会ったところで何のメリットもないし、
過去の事実が明らかになったところで 
お互いどうにもならない。

本作では妻との関係がほとんど描かれておらず
妻の浮気相手との関係が
フューチャーされている、
という視点が面白いと思った。


絶対に認めないとは思うけれど、
あの二人も実は
仲良くなれたのかもしれないよ…

無責任な第三者は
不謹慎にも笑ってしまうのだった。



追記:
この作品は映像がアートっぽいかなと思った。

撮影は大変だったろうな〜と思うけど、
韓国の自然にあふれた素晴らしい景色が
イキイキと映し出されており、 
ストーリー以外の面でもとても楽しめた。

あ〜!韓国行きたい! 
あの山に!あの海に!


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