フライ・ダディ

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師弟愛は好きなテーマのひとつである。

この作品が気に入った私はとても興奮して、
日本映画「フライ・ダディ・フライ」と
金城 一紀 の原作にもトライしてみた。


原作には原作の良さがあり、
映画では省かれている部分が楽しめるし、
特に映画で省かれてしまっているキャラが
けっこう面白かったりする。

一方、日本映画では
序盤の描き方がなかなか良い。

あと、とてもミーハーな感想だけど、
岡田准一の魅力も満載だった。
(最後の方の舞のシーンが
個人的には良かった!)
だが、やっぱり韓国映画びいきの私は 
韓国作品が一番しっくり来る。

原作よりも、
韓国映画が良いと思うのはどうしたことだろう。


ひとつには、
お父さんが戦う理由が明確にされていることが
かえって良かったように感じたことだと思う。

原作、日本映画共に、 
”なんとなく”
「娘が襲われて…」というニュアンスで
ごまかされている。
(はっきりさせなくても、
わかって…って感じなのかもしれないけど)

でも、戦うには動機が必要だ。
どうして強くなりたいのか。
自分を変えなくてはならなかったのか。

その後の苦労も、動機づけが明確でなければ
何の為に鍛え抜いているのか…
イマイチ、
その努力の意味がわからなくなってくる。

単なる自己満ではなく、
娘の心の痛みに寄り添えなかったこと、
そんなパパ(男)には触られたくない…と、
拒絶する娘の心境を知り
愕然したことが、
「強くなりたい」に結びついているのだと 
韓国映画を観て改めて思う。


また、韓国の作品には
警察に師匠(イ・ジュンギ)を迎えに行く
おっさん(イ・ムンシク)の姿がある。

この部分は原作にもなくて、
このあたりから
韓国での脚色が光るように思える。

確かに イ・ジュンギには
体力や技(ケンカの…)もあり、
哲学的な影響力?もある。

でも、まだ実際は高校生。
大人の保護が必要な時だってある。
そのおかげで「大人」の存在を感じ取り、
さらにおっさんに
「憧れの大人」になって欲しいと
願う気持ちを持つのである。

また、イ・ムンシクも
全てがダメダメということではなくて、
おっさんだからこそ
社会でそれなりに地位を得ていたり、
お金を持っているのだ、ということが
しっかりと描かれていているので、
観ていて嬉しくなってくる。


そんな風に、
社会とは誰かが誰かを支えているものだと
私は思う。


そして大団円。
一番、(韓国映画が)わかりやすい。
単純かもしれないが、一番好きだ。

病室に貼った数々の写真、
娘のお小遣いで買ったスーツ…
この辺ですでに涙があふれそうだった。

そして、強い男になったイ・ムンシクが 
何のためらいのなく病院に行き、
妻と娘を迎えに行く。
家族が抱き合って喜ぶ。
…その流れが読めても、
思い描いていた通りの映像を
実際に目にできるのは 
ものすごく幸福感にあふれた気持ちになる。


この映画は
二回スクリーンで観る機会が持てたのだが、
とても満ち足りた気持ちになれた。