ピーターパンの公式

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高校生の頃、
村上龍の「限りなく透明に近いブルー」に
とても惹かれていた。
はじめてこの小説を読んだ衝撃は、
とても大きかった。

そういえば、
友人のお父さん(高校の国語教師)に
「そんな本読んでる子と
つき合うのは辞めなさい」
と言われてしまったことが
とてもショックだった。


小説の中には 
ドラッグや過激な性描写が出てくるため、
大人たちは眉をひそめていた。
だが、この小説は
単なるエロ小説なのではなくて、
それらを通して見えた世界や感覚・感情を
浮き彫りにした作品なのだった。

この小説を読んだからといって 
即座に真似しようとは思っていない。
自分にはありえない世界だということが
わかっているからこそ、
じっくり読めたのである。


若かりし頃のどうしようもなく、
どうしようもできない葛藤は
誰しもが経験するのだろうか?
私はありえない世界の小説でも 
「わかる!」と思っていた。
でも。
どうしたらその葛藤を超えられるのか。
今でもそれが知りたい。


『ピーターパンの公式』の中でも 
主人公の生活の中に様々な不条理が起こり、
やるせない気持ちがとてもよく描かれている。
「わかる!」! 
(隣人の音楽教師の行動は理解しかねるが)

そして、どんなラストを迎えるのか、
わくわくしていたのだが…
残念ながら、どうやって葛藤を超えたのかは
全く描かれていなかった。


多くの青春小説は
(こういう言い方が妥当かはわからないけど)
最後、この手の終わり方である。
うぅ、イライラ。

問題だけ振っといて、
あとは読者(観客)に任せます、っていうのは
消化不良な気持ちになってしまう。
こういう終わり方しかないのか?!


私は納得はできないのだけど、
こんな風にしか終われないものだろうか。
それとも 
この世には不条理が続くのだと
暗示したいのだろうか。