愛なんていらない

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『マイ・リトル・ブライド』から比べると、
『ダンサーの純情』は
ムン・グニョンの成長が著しい。

また、
ちょうど少女から大人の女性への過渡期でもあるため、
両方の顔(表情)を使うことができる貴重な時期。
正に「旬の女優」だと思っている。


私は広末涼子があまり好きではないため
(ファンの方、ごめんなさい)、
日本ドラマ「愛なんていらねぇ、夏」を越えて、
すばらしくリメイクされることを願っていた。
よってこの作品に対する期待も高かったのである。

去年の秋、この映画のポスターをソウルで見かけたとき、
映画館に走っていきたかったことが思い出される。


短いスケジュールだったので
映画を観る余裕はなかったのだが、
もし日本で上映されることがあったら
絶対に行こうと心に決めていた。


『マイ・ボス・マイ・ヒーロー』のシリーズや
『私の頭の中の消しゴム』など、
これまで日本のドラマ以上に
いい感じでリメイクが成功してきているため、
韓国映画のリメイクにハズレはない、と
何故か確信を持っていた。


しかし、残念ながら本作に関しては
日本のドラマを越えられなかった…、
と感じている。


ひとつには 
視力を失い、心に傷を負っている大富豪令嬢のイメージに
ムン・グニョンが似合っていないことがあげられる。


グニョンの魅力は何といっても 
あの明るい、誰にでも愛されるような笑顔だと思う。

だが、この作品では
ほとんど不機嫌な顔をしなくてはならないため、
まったくもって彼女らしくないのだ。

また、丸い 健康そのものの どアップが映るたびに
「病弱な役なのに!」と突っ込んでしまう私。


あぁ、何かが違う…。
繊細な、気難しい子の役は広末のほうがハマる。


キム・ジュヒョク(兄役)も、服のチョイスや仕草などが
かなり渡部篤郎とかぶってしまい、
鑑賞中からすでに残念な感じが否めなかった。
(カッコいい俳優なだけに、
彼の魅力がまんま堪能できなかったのがホントに残念)


日本でこのドラマが放映されていた時、
そんなに熱心に観ていたわけではなくて
再放送か何かでちょろっと数回観た程度だったのに、
こんなに俳優のイメージがついてしまっていたとは。
自分でも驚きである。


日本のドラマを知らずに、
初めてこの作品に触れた人にとってはなかなか良い映画かもしれない。


最初に音楽が流れるところなんか
ドラマ仕立てで、面白い効果だと思ったし、
最初と最後の雪景色のシーンは美しく、私も好きな感じではある。


日本ドラマと比べることなく、
普通に観られれば、良かったのに…!
と思うから、あまのじゃくだけれど、
知らなくてもいいことって確かにあるんだなと思ってしまった。


ちょっとほろ苦い経験だった。

※2007年執筆