ファミリー

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もうそろそろしっかりして」
…親に言われる言葉で最もキツい言葉である。
心配かけているとは思う。


苦労して学校を卒業させた娘が結婚もできず、
安定した仕事もしていないのだから無理もない。
しかも、親の面倒を見るどころか
未だに親の世話になっており、
時折情けなさと申し訳なさで押しつぶされそうになるときがある。


これから偉くなるのはさすがに無理だと思うので、
せめて好きなことをやって楽しく生きようと思っている。


親にしてみれば迷惑極まりない話だと思うが、
自分が死ぬときは
「楽しかったなぁ」と言って死にたい、
と最近思うようになった。
自分の方が後で死ぬとしても。

親には申し訳ないが、今はちょっと踏ん張り時だと思っている。


両親はこの世で一番
私のことを心配してくれている人たちだ。
感謝している。
しかし、孝行できない負い目で、
素直な温かさをもって感謝することができない。

だからか、家族の絆を描いた作品にはやたら涙もろくなってしまう。


『ファミリー』の最後のお父さんの格闘シーンには
胸うたれるものがあった。


命がけで娘を守ろうとする姿と共に 
権力の無さや無念さなど、
お父さんの苦悩が色々と思い当たり、
苦しさが増す。


苦しいけれど目をそらすことができないのは、
そういう力強い愛に感動し、憧れをもつからだ。

だが、そういう事件があったとしても、
スエ(娘役)の人生が開けていくわけではない。
現実は厳しく、お父さんが全力で戦ったとしても 
必ず幸せが約束されているとは限らない。



お父さんの姿を心に刻んだ上で、
どう生きていくかが彼女の人生の課題である。
また、人に裏切られた痛みを 
その後の人生でどう活かして生きていくのか。


人のせいにするのではなく、
自身が成長し、乗り越えてほしい。
彼女の姿を見ながら、自分自身にも同じことを思う。