ウリハッキョ〜われらの学校

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恥ずかしい話だが、私は10年前 
朝鮮半島のことに全く関心が無かった。

ほとんど話題になることもないし、
ほとんど情報もない国。
当時は南北が別の国であることすら 
よくわかっていない感じだった。


2007/12/15。
フジテレビ放送の「金賢姫を捉えた男たち」を見た。


20年前の大韓航空機爆発事件のドラマで、
私が初めて「朝鮮」を
うっすらと覚えた事件であったことを思い出した。

…といっても、
当時はそんなに関心があるわけではなかったので、
北朝鮮は怖いなぁ…と思うぐらいだったのだ。

多くの日本人の若者も それくらいの認識しかなかったのではないだろうか。


金賢姫は大きな話題になったし、
その後、拉致事件のことも
報道されるようになっていった。

でも、自分の知人が関わってでもない限り 
なかなかそのような問題に深く関心を寄せることはないだろう。


当時の日本はバブル全盛期。 
私もまだ若く、勉強や遊びに忙しかった。
「北朝鮮は怖い」以外、
自分の中に残らなかったのが正直なところである。


2004年頃から
たくさんの韓タメが日本でも楽しめるようになり、
私も夢中になっていった。
けれども韓国と北朝鮮は全然別モノであり、
北は私にとっては興味の対象外だった。


大韓航空機爆発事件や
拉致事件のイメージから抵抗感が否めなかったのだ。

私が好きなのは韓国だから関係ないという思いも。


でも、色んな韓国映画に触れていくうちに、
多くの韓国人が南北の統一を願っていることを知った。


情報をどう捉えるか、何を基準に考えたらいいのか、
自分としては正直 まだ迷うところが大きい。
視点によっては 全く違う考え方になることがある。
…そのことに 改めて気づいた。


毎日、ニュースやバラエティ番組が流す情報量は
あまりに多いから
”(報道側が)その情報を捉える角度”にまで 注意し、
関心を寄せることは殆どない。

色んな角度から見る――そんなことが実際にできる人は
あまり多くはないように思える。


手に入る情報も、必ずしも真実とは限らない。
教科書でさえ、何が真実なのか
見解が分かれるような時代なのだ…。


『ウリハッキョ』を観るのは、これで三回目だった。


観るたびに心に残るシーンが増えていく。
今回は、
日本の報道で北朝鮮が激しくバッシングされている頃
(マンギョンボン号の事件の時)、
祖国(北朝鮮)への修学旅行に
嬉々として向かう高校生の姿が印象に残った。


誰一人、祖国を疑っている子はいない。
当然、日本での報道は知っていたはずである。
だが、日本の情報を鵜呑みにしたり、
疑ってがっかりする子もいない。

出国に緊張が走った時でさえ
「やめようよ」と誰一人言わなかった。


それどころか、北朝鮮についた瞬間、
憧れに満ちた祖国の土地を、
まず手に取っていた生徒もいたくらいである!
(踏むのがもったいなくて。
日本人にそんなことする子がいるとは思えません…)


キム・ミョンジュン監督も
この撮影を通して初めて北について
はじめて知ったことがあったらしい。
それを隠さずにナレーションに入れていたところに
監督の人柄を感じる。


本作では在日の人々の姿を映していたけれど、
ひとりの韓国人の捉え方にも
触れることができたように思う。


監督の視線の温かさを感じると共に、
在日の皆さんと築いていた心の深いところでの交流が、
ちょとうらやましく思えた。

〈韓国インディペンデント映画2007〉