チャーミング・ガール

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人によって「韓国」という国のイメージは異なると思うのだが――。


私が初めて韓国人と接したのは、高校生の時だった。
実は 苦手だと思った。


理由は、初対面なのにも関わらず、
とてもベタベタしてきたのが異様に感じたからだ。
女子同士手をつないだり、腕を組んだり。

あまりよく覚えていないけど、私も腕や顔を触られたような気がする。


最近のドラマなどでもスキンシップが多い様子が伺える。
色々なドラマや映画を観て、
あぁ、そういう人たちだったのねと理解し、
いつしか その光景に馴染んでしまった。


韓国人は感情表現が豊かで、
すごく面白かったり、
すごく親切だったり(情が厚い)、
すごく怖かったり。
いい人も悪い人もわかりやすい。


でも。
それが韓国だと決めつけるのはまだ早かったなぁ…と
改めて感じるきっかけになったのがこの作品だ。


日本人だって色んなタイプの人がいて、
簡単には分かり合えないというのに。
2,3年韓国映画に熱を上げたからといって
韓国のことを知った気でいるのはとんだお門違いだった。



この映画は一人暮らしの女性の日常を追った映像(一応ストーリーもある)。
監督が伝えたかったことよりも、
自分の中で勝手に作り上げてしまっていた韓国人女性像を
打ち砕かれたことに、ショックを受けた。


そうだよね。


みんながみんな、強くて明るい、元気の良いアジュンマ(おばさん)になる訳じゃない。
わかりやすい人ばかりじゃない。
ベタベタしてる訳じゃない。


…そうだよな。
やっぱり。


同僚とは少し距離をおく。
昔の嫌なことを忘れられない。
好きなものを好きな時に食べる。

(小さい大根のキムチを宅配してもらって食べるシーンがあるのだけど、すごく憧れました!
あのキムチはソウルのデパートで見かけたけど、食べられなかったので悔やまれます。
超おいしそう!!)


そんな姿に私達(日本人)も同じだと感じる。
なんとなく 似ていると思う。
無意識に国籍の違いを感じている自分にも
あ、そういう感じ方をしていたんだねと驚いた。


心の奥に隠していた過去と
なかなか向き合うことのできない女性が、
少しずつ自分を変えようとしていく。

なんだかちょっと自分とも重なるような気がして 
見ていて痛々しいところもあった。


観終わった瞬間は
ちょっと物足りないような気もしていたけれど、
今思うとよく考えられたラストのような気がする。
なんとなくだけど。


日常は祭りではない。


ドラマティックなことが起こらないとは断言できないが、
必ず起きます、とも断言できないのが日常である。
ダメだ!と思ってヤケになることや、
ちょっとした行き違いなんていくらでもある。


自分の思い違いを笑ってしまうことも。
大きな変化は描かれていないのだが、
かえってそこがこの映画の良さのような気がする。


日常の中で、ふとした瞬間に思い出すような映画だ。