それでも夜は明ける

2013|監督:スティーヴ・マックィーン

 

夜が明けなかった人々を思うとやるせない。

一応ハッピーエンドなので観後感は悪くない。だが、ずっと奴隷のまま一生を終えた人も少なくはなかったはずだ。人権問題は最近でも耳にする話だし、こういうことはなかなか簡単には変わっていかないかも。
映画の中の主人公が木に吊るされるシーンで、咄嗟にビリー・ホリディを思い出した。『奇妙な果実』。
権力を持つと、人ってどうしてこうなっちゃうんだろうな。人種差別ではないが、非正規で働く自分も奴隷みたいなものだと思いながら、黒人たちにめちゃめちゃ感情移入しまくった。奴隷には発言権などなく、嫌がらせや罵声で狂ったように働かせ、怪我や病気には知らんぷり。結局、差別が蔓延していれば、人間ってこういう構造を望むものなのかも。(ブラピ様の登場をこっそり願うしかない…)

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