『白頭山(ペクトゥサン)大噴火』映画感想 キューティープチ…

リスクを負っても国家の危機を対処しようとする必死さに、今の日本に感じられないアツいものを感じた。周辺国との関係の微妙さもリアリティがある。結果が全てとはいえ 盗んでまで…等 かなりフライング気味な判断も多く、それこそ日本では作れない映画だと思った。従来型の"正義感に溢れたヒーロー"を主人公にしない感じも韓国映画らしくていい。人間味溢れるジョンウ&ビョンホンの不真面目さったら…。マブリーの学者役も新鮮。

2019|監督:イ・ヘジュン キム・ビョンソ


『ジョジョ・ラビット』映画感想 空想の友だちとリアル

誰かの幸せって誰かの不幸の上に成り立っている。最近、そんなことをよく考える。自分が不幸だと感じる時、心の狭い私はすぐブー垂れてしまう。だけど、自身が大変な立場に立たされていても他者の幸せを考えられる人って オトナだなぁ。本作でのママやキャプテン・Kは、躊躇なく若者に命を譲ることができるオトナ…。でも。子どもって、当然のごとくその尊さを享受し、そのありがたさに気づかない…。そうなの。その残酷さ、リアル。

2008|監督:タイカ・ワイティティ
第92回 アカデミー賞(2020) 脚色賞


『素晴らしい一日』 映画感想 二度と会いたくない男

平安寿子さんには申し訳ないけれど、私は小説より本作の方が好きだ。…というのは、原作にないシーンがエンドロールに映っていて、その映像に超共感したから。序盤の鬼の形相もわかりみが深過ぎるし、こんな男のどこが好きだったんだか と自分を呪う気持ちにも共感する。けど、嫌いなところや好きだったところを振り返った後の ”出会った瞬間” って、反則じゃね? !と思うくらい ドキドキした…。あったんだよな..、あんな時代が。

2008|監督:イ・ユンギ


『手紙は憶えている』映画感想 ペンは脳よりも強し

戦時下での衝撃的な出来事は、人を狂わせる。命を失う悲劇もあれば、生き延びる悲劇もある…。高齢者の物忘れは誰にでも起こりうることなのに、全く予想できない 驚きの展開だった。古い記憶が時間の経過と共にねじ曲がり 迷宮入りしていくサスペンス映画。過去回想を多用するホロコースト映画とは一味違い、惹き込まれた。90歳になっても、「命をもって償え」 と思い続ける、復讐の凄み…。戦争が残す爪痕は、あまりにも深く、重い。

2015|監督:アトム・エゴヤン
カナダ・ドイツ合作


『大和 (カリフォルニア)』映画感想 わたしの居場所

面白いお店ほどガイドブックには載ってないし、専門家の評価に頼らなくても欲しいものは自分で探せる。ステレオタイプの人を否定はしないけど、自分らしさに向き合うと 抑圧されてることに気づいちゃって 苦しくなる…。定まらない価値観、方向性、アイデンティティ。魅力的なシーンがガラスのカケラのように舞う、コラージュのような作品だった。もがきあぐねる少女たちの姿がまぶしい。結論が出せないまま 大人になったとしても。

2016|監督:宮崎大祐


#4 オールタイム戦争映画ベスト10

毎年、8月になると、戦争のことを考えさせられる。

子どもの頃、私自身は”戦争を知らない子どもたち”として育ち、戦争は社会とか歴史の授業で年号を暗記する程度の関わりしかなかった。だが、大人になり、映画を観るようになってからは、当事者じゃないもん…という顔ができなくなった。

戦争映画は、一言では語り尽くせない。

作り手には、色々な伝え方、色々な想いがあるからだ。

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『ともしび 』映画感想 私は本当にしあわせだったの?

古風な女性こそ、”あなた色に染まること” や、”尽くすこと” に、喜びを感じるのかもしれない。自分をなくしてもいい!と思えるほどの男性に出会えるのは、女の幸せとも思えるから...。だが、長年連れ添った夫のウラの顔を知った時。女の人生観はどう変化するのだろう。怒り、苦しみ、悲しみの表現が素晴らしい、シャーロット・ランプリング主演。見て見ぬふりの積み重ねが、思い込みの幸せを狂わせる。螺旋階段のシーンが鳥肌モノだ…

2017|監督:アンドレア・パラオロ
フランス・イタリア・ベルギー合作


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