『タレンタイム ~優しい歌』映画感想 苦しいときほど 人は輝く

ヤスミン・アフマド監督の遺作となった本作は、本当にこれでもかというくらい 様々な要素が考えられ、盛り込まれている。様々な男女の愛の形だけでなく、親子、姉妹、友人、民族間での問題等、観る度に気づきがあり、驚きと感動に包まれる。強いて悪い部分を挙げるならば、盛り込まれ過ぎてて忙しい…。だが、ヤスミン監督が亡くなったことを考えると やはり盛り込まれるべきだったのだ、と思う。ユーモラスなアディバ先生*1が最高。

2009|ヤスミン・アフマド|再観


*1:マレーシアの国民的シンガー・女優、アディバ・ヌールさん。2022.6.18に死去。合掌。

『ジョーカー』映画感想 私だって愛されたい

所詮人間なんて与えられたカードで勝負するしかない。誰かにババが配られるってことぐらいわかっているのだが、だからってどうして私に回ってくるの? 世の中は不公平。多くの人に与えられている幸福は経験できず、多くの人がやらなくても良い面倒臭いことが 何故か私に回ってくる…。怒りと不満は爆発寸前。笑ってるピエロの涙を知ってる奴なんて この世にいるのかよ?!…いるんだよな、それが。だから私は映画を観たいのだと思う。

2019|トッド・フィリップス


#2 男性主人公映画ベスト10

先日、”女性主人公映画ベスト10”を選んだので 男性版も考えなければ〜!と思い、考えてみた。

多くの人は映画の中に、”憧れの異性の姿”を探すと思われるし、もちろん私もステキさやカッコよさを求めている。だが、何をもってステキ、カッコいい、になるのかは 人それぞれだ。

自分にとって、ステキ や カッコいい がどういうことなのか、あまり考えたことがなかったので、これを機に内観してみたい。


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『それだけが、僕の世界』映画感想 赦しと受け入れ

40歳の元プロボクサーという設定に、胸が締めつけられる。人生をやり直す、最後のシーズンだと思うからだ。知的障碍をもつ弟の隠れた才能が開花する過程も号泣に値するのだけど、この作品のテーマは別にある。母を赦して見送り、弟の手をギュッと握る男…。この立ち位置を演ずるのが イ・ビョンホンというのもナイスキャスティングだ。人生は望み通りになる訳ではない。とことん苦しんだその後が、彼の本当の人生のような気がする。

2018|チェ・ソンヒョン


『レボリューション・ティガ』映画感想 筋肉と銃弾はもう古い

警察×記者×宗教家。竹馬の友として育った3人が、テロ事件をきっかけに再会する。知らない人だと感情移入することなく関わることができるのだろうが、幼少期を知り尽くしている友人同士だと 意見が合わなくとも対立しにくい…。宗教やテロの問題は、もはや映画だけの世界ではなくなった。現実でもこういう構図なら、微妙な人間関係はあり得るのかもしれない。ガッツリと心をつかまれながらも、激しいアクション*1に釘付けになった。

2015|アンギ・ウンバラ


*1:格闘技:シラット

『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』映画感想 魂の試合

1980年、ウィンブルドン決勝戦。試合に勝つことと同時に、自分自身との戦いにも負けたくなかったふたり。正反対のようでいて 実は似ているような気がした。きっと、相手の中に自分の姿が透けて見えたんじゃないかと思う。試合のシーンは本番そのものの緊迫感。勝利への半端ないプレッシャーに、手に汗握る!実際の出来事というせいもあってか、テニスの知識がとぼしい私でも 激しく胸が高鳴った。ラストの男の友情が最高だ。涙。

2017|ヤヌス・メッツ
ウェーデン・デンマーク・フィンランド合作


『一人にしないで』映画感想 心の渇きの満たし方

底辺での暮らしに喘ぐ者も セレブ側にいる者も、似たような心の渇きがある。ひとりでは耐えきれず、代役や道連れでしのごうとする大人たち…。満たされない部分を人肌に求める為、際どいシーンも多かった。自分では選ばない系の作品かも…。だが、大切な人を失う終盤頃には状況理解も深まり、切なさが溢れた。知っている俳優が少なかったのだが、チェン・イーウェン(陳以文)氏の登場にはホッとする。相変わらずいい仕事するお方。


2021|ファン・ヤンジョン
第17回大阪アジアン映画祭 特集企画《台湾:電影ルネッサンス2022》


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